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天心体験記
ただ泣いたり、笑ったり
３月、初めて天心に参加しました。そこで私は生まれて今まで経験したことのないすばらしい時間を過ごしました。
４人の方が手、足、背中をささえてくれ、阿部先生が今日の天心の最初に言われた、「無心」とは何かと考えながら目をつむりました。故意にあれこれ考えたり、動くのはやめようと思いました。
最初に涙が出てきました。まわりが私を抱っこしてくれました。悲しいとか、つらいとか怒りの涙ではなく、ただ泣いていいんだと安心して、ポロポロ涙がこぼれ落ちました。
泣きやんでしばらくすると、私の手をささえてくれている人を力いっぱい押して、怒りがこみあげてきました。「もうあっちへ行って！あっちへいってよ」
言葉にならず、心の中で何回もくりかえしていました。
するとなんだか怒っていることがおかしくなって笑い始めました。体をささえている人たちもいっしょに笑い始めたら、とても楽しくなっちゃって、ケラケラとよく笑いました。
ふと、我が子ともこうやって気持ちを伝えあえばいいんだと、確信をもてる答えを見つけたような安堵感が心いっぱい広がって、私は座りながらぐっすり眠ってしまいました。周りの人は重かっただろうに、眠る私の体をやさしくずっと支えてくれました。
最初から最後まで具体的な映像は何も浮かんでこなかったけれど、頭の中がからっぽになって、ただそこに感情だけがありました。今まで自分の感情を表現したいとき、音楽とか絵とか文章とかの手段をつかって現したいと思っていたけれど、何もいらない「ただの感情」を知りました。
阿部先生に以上の体験をお話すると、「子どもだってただ泣きたいときや怒りたいときがあるんだよ」と、すてきな答えが返ってきました。子どもと接するときどうしても、「どうして？」「なんで？」をつけて考えながちだけど、どうして、なんでなんていらない、ただの感情を人は持っているのですね。
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