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天心体験記
やっと会えたお母さん
昨日は本当に、ありがとうございました。昨日、しみじみ思ったの。和く輪く舎のあの場所は、お母さんのお腹の中なんじゃないかって。お母さんの腕の中でもいいです。もう、あの場所にいるだけで涙が出てきました。ここは、大丈夫って。
今回、私は絶対にやりたいことがありました。それは、参加者の一人の方が感じていたことと同じようなことです。すねて、「自分が好きって思えばいいんでしょ」。そうそう、そう思っていればとりあえずこの場は修羅場にならずに済むし、自分の心も騒がずに済む。もう、ずっとそうやってきました。
今まで天心に行って、いろいろと感じて、でも、それは、「こう思えばとりあえずこの場は終わるな」とか、「こう思うのが普通なんだろうな」とか。たくさんの気づきがあったり感情の解放があったのは事実だけど、その一方で、こうして包まれているのって、居心地がいいはずなんだって、言い聞かせている自分がいるのでした。今まではそれでいいもんだと思っていたけど、今回はそれを打ち破りたいと思っていきました。‘言い聞かせている’のは、変だ、と思ったのです。
絵本『あなたがとってもかわいい』から始まった、“分け隔てない気持ちへの共感のワーク”をしていて、Ａさんに抱っこされているときは、自分を肯定することを一切拒否していました。自分を包んでくれるものを拒否しました。だって、それって変なんだもん。そしていつもならもうここでいいや、なんて思うんだけど、ううん、今日は絶対にとことんやるんだと思いました。というか〜Ａさんがそれを許さなかったような気もするのです。でも、そのおかげで、Ａさんを独り占めできたけど。うふふ、です。もう、自然に手が、にぎりこぶしになっていたんですね。それをＡさんが包んでくれたんだけど、「ううん、違う」って。それでずっと、手で張り合っていました。本当は、指と指を絡ませてぎゅっとしたいんだけど、ううん、違うって。Ａさんは私のこぶしを開こうとするんだけど、私は絶対に開かなかった。
でも、天心をやってる皆さんの声が聞こえてきたの。そしたら、秀雄先生が「その気持ちは宝の山なんだから」とおっしゃって。宝という言葉に弱い私。えっ、宝なの？ えっ、これって気持ちだったの？ 壁の時もそうだったんだけど、これが気持ちだとは思っていなかったんですね。やっかいなもの、とは思っていたけど、気持ちだったとは。そしたら、その拳のなかのものも存在が出てきて、宝の山だったら大事にしないといけないんじゃない、と思えた。そしたら、力が少し抜けて、それでＡさんの指が入ってきました。でもそこは何十年も握りしめていた手。指と指の間には、絶対に入らないようにしていました。
そして今度は、「もう何十年もこう思ってきたんだから絶対に座りたくない」という天心をされている方の声。そうだ、だめ。絶対に座っちゃダメ。他の方の声と、秀雄先生の声と、そして自分の指、ずいぶんと疲れないモンだなぁと思いながら。でもちょっと疲れたなぁ。と力を抜いて。そうかぁ、こうやって力を抜くとＡさんの手が少し入ってくる。こうやって休憩するのっていいもんなんだなぁ。と、今度はＡさんの指が私の指の間に入ってきて。でも、第二関節くらいまで。もう、こんなに頑固な私、相当だわ。そんなこんなしてたら、なんだか穏やかに手が動いているんですよね。なんなんだろう。居心地を感じていたのかなぁ。そこで芳子さんから声が掛かったんですよね。もうお昼を過ぎていて、びっくりしてしまいました。
皆さんの天心に混ざって私が呼ばれました。Ａさんに抱っこされたから気持ちが整理されていました。自分の認めたくない気持ちが、あんなにべっとりとしていたなんて。それが離れていってしまうのは、隣がスースーして寒いし、寂しい気持ちになりました。なくなって欲しい気持ちなのにね。それを（私を）抱えて座布団まで連れて行かれるときも、絶対に座らないよ〜でした。でも秀雄先生に「やだやだしながら座ったら」と言われ、えっ、と思いました。「やだやだしていいの？本当にやだやだがそばにいてくれるの？信じていいの？」それだったら座れる。しかも、やだやだしなくっても。うわぁ、なんだろう。やだやだが欲しかったのかな。ううん、自分を守ってくれる、やだやだがあるんだったら、大丈夫って。一歩踏み出すには怖いけど、そばにいてくれるんだったら、やってみようかなって。それに、即答してくれたもの。やだやだを見守ってくれてた支え手のお二人。それがまた、うれしかった。
最後の天心は、“奇跡を起こす体験のワーク”でした。もう、これもやってみたかったから、わくわくでした。父にしようかな、と思ったけど、やっぱり母にしました。ああいう体験でも、母役の人に無視されると、とってもつらいものですね。私は自分でお母さんのところに行って、抱っこしてもらおうと思っていたの。でもね、足がすくんで、行けなかった。
でも、叫べた。「ここにいるんだよ、こっち向いてよ」って。うわぁ、言えた。お母さんの胸の中に飛び込んでいるのはやっぱり違和感があったけど、きっとこんな心地よい気持ちなんだろうなぁと。Ａさんに「お母さんって呼んでみて」と言われたら、恥ずかしくって言えなかった。うーん、怖いというより、恥ずかしい。やっと、一言言えたけどね。また言ってみて、といわれても、言えないわ。でも、お母さんの胸の中にいる子どもの、うれしいふわふわした気持ちは、本当に幸せなんだなぁって、思った。
それから、その前にお母さんの役をしました。本当に不思議ですね。その役になれるんだから。その方の、お母さんになれるんだから。その方が最後に体を任せてきたんです。ええっー、うわぁ、これって、うれしい。本当はすぐにでもぎゅっとしたかったんだけど、しないでいたら、お父さん役の方がギュッとしてきたの。家族全部を。そしたらお母さん役もギュッとしなくっちゃ！って。そうそう、その前にお父さんに謝ってもらっているお母さん。お母さんは許すんですよ。「いいんですよ、お父さんだってつらかったんだから。わかってるよ」って。
親の気持ちって、本当に深いですよね。愛情深い。愛に満ちている。そして、「お父さんとお母さんは大丈夫。あなたはあなたの人生を歩みなさい」って思ったの。本当に、本当に、不思議な体験をしました。すばらしい体験でした。こんな愛情深い気持ちが持てるなんて。誰の心の中にも、本当はある気持ちなんですよね。私も含めて、なかなか現実の親を認めることは難しいから、こうやって親への執着が手放せたらいいですね。
芳子さん、私、お母さんの胸に飛び込めた体験を、どうしたらいいんだろうって。きっと、次女の気持ちをなかなか受け止められないのと、どこかで繋がっている気がします。それとね、今回は「気持ちを受け止めたい」と思ってでかけた天心でしたが、今度は「相手に飛び込んでいきたい」と思いました。恥ずかしがらず、素直に「お母さん」と言えたらなぁと思いました。
本当はもっといろんな気持ちに出会ったけど、思い出せないや。そのうち、ムクムクと出てくるのでしょうね。芳子さん、Ａさん、ありがとうございました。今はまだ、ふわふわとしたなかにいる感じです。
Ａさん、本当にありがとうございました。Ａさんにしっかり受け止めてもらえて、うれしかった。自分の気持ちを、偽りなく受け止めてもらいたかったから、あーん、もう、それだけでうれしいのに、ダダこねまでできたなんて。今気づいたのは、これが欲しかったことかも。やだやだしてもいいよっていうこと、いつでもここにいるよってこと。偽りなく、受け止めてもらえること。うーん、涙がでてくるよ〜。やっぱりお母さんが欲しかったのかなぁ。お母さんの愛があれば、受け止めてくれる母がいてくれれば、もうそれだけでいいのでしょうね。うん、今晩はこのことをしみじみとかみしめて寝ようと思います。
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